よく聞かれる内容です。
人によって、ホールで音が響かずにモゴモゴと弾いているような感じ、ぼやっとした音で弾いている感じ、メロディーが聞こえない感じとか、色々あります。
うまい人だと小さい音でも遠くまでよく響くけどそうでない人もいる。
単純にどうやったら音がホールの後ろまで届くようにしたら良いか?という悩みだと思います。
特にかなり大きいホール(500人以上収容)だとそういう意見が多いようです。
これの答えはズバリ!
1.いつも部屋で弾いている時の演奏自体に原因がないか?
まずはいつも部屋で弾いている演奏自体がすでにメロディーが聞こえない状態でないかをチェックしてみて下さい。
伴奏は究極に小さく、そそてメロディーはそれに対して埋もれないように音量を出しているか?
まずはこれができていない人が多いので気をつける事です。
大概は伴奏の(左手)音が大きい人が意外といます。これを直すこと。
2.次にホール舞台での音量の調節になれること。
次の問題がやや難しい問題です。
ホールはさまざまな響きがあって、舞台で引くとかなり違いがあると思います。
比較的小さいホールの場合は(200人程度収容)自分の音がよく聞こえることが多いのでそれほど困らないと思います。
その場合はいつも自分の部屋で弾いている感覚で大丈夫です。
しかしやや大きめのホールの場合は勝手がやや違います。
いつもより音が”もわっ”としてはっきり聞こえないのです。
これはホール自体が大きいので自分の音が拡散されてしまって、かなり自分に音が聞こえないのです。
この場合、やたら自分に聞こえないから大きい音で自分に聞こえるように弾くとかなり割れてしまう音になると思います。
音量がでかいけど、繊細さがない演奏になってしまう。
その場合はやや音量を小さくすることです。
逆に舞台で音がもわっとしているにもかかわらず、そのままわからずに弾いてしまう。
・・・これがいわゆる音が遠くに響いていない状態です。
ここはかなり舞台での経験値が必要です。
舞台は大概音があまりはっきり聞こえません。
この時に、どれぐらいの音量を出したら良いか?
舞台での音をなるべく頭を上げて四方八方聞くようにして按配(あんばい)を確かめるのです。
ただしまるで車のアクセルのようにどの程度踏み込めばどれぐらいのスピードが出るか?というのが踏み加減の按配(あんばい)を調節するのです。
ここが難しいのですが一番良い方法は、音楽がよくわかる人(先生や先輩)にホールの後ろに座ってもらって、ちょうどよく響いている音量を確かめてもらうのです。
どれぐらいなのか?の調節はまるでオーディオ機器のボリューム調節に似ているところがあります。
そのボリューム調節を後ろで聞いているひとにやってもらうのです。
「もう少し音量を出して」とか「ちょっとそれではやかましい」ととかを指示してもらうのです。
ただしこの時であっても自分の演奏がメロディーがいつも小さい音量ではだめです。
事前に曲の演奏自体が自分の部屋でぼやっとしている状態でないことが条件です。
このように、ホールで響く原因はまず、ホールではない自分の部屋(レッスン時)の時にすでに原因があることも多いのと、舞台経験(音量調節)が要になります。
特に舞台での音量調節はかなり難しく、誰でもこれは慣れません。
一種、”賭け”になることも多いのです。
大概、大ホールのある箇所ではちょうど良い音量でも、ある箇所では「あまり聞こえない」ということも多いのです。
これはもうホールの設計自体がまちまちで違うのでかなり難しい問題です。
大概は2〜3階だと聞こえるけど1階の特に後ろだと聞こえない、ということはとても多いのです。