つかの間の至高の幸福

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今年の夏はいろいろと忙しかった。

生徒のコンクール参加。そして、8月14日の大人の発表会。

そのすべてが一応終わり、もしくはひと段落してようやく私の時間につかの間の至高の幸福が訪れる。

どういう事かと言うと、いろいろと企画が多いと、その最中、とにかく私自身の時間がなくなってしまうのだ。

それはそれでいいことではある。

何たって仕事で忙しいことは幸せなことである。だいたい音楽で食えること自体、幸せと思わなければ、バチが当たる。

自分の身と時間を削ってでも生徒のためにいそしむのだ!・・・それが私の使命。

しかし、それが時に私の悩みにもなり得る。

特に大人の発表会は大変である。いつもレッスンの時には生徒の曲はなるべく自分が模範演奏ができるようにしておくので、生徒の曲の毎日の練習が大変で、自分が好きな曲の練習など全くできない。

それも、ようやく発表会が終わると生徒もしばらくレッスンに来なくなる。

次に持ってくる曲をしばらく練習しているためだ。

そして・・・ここぞ!とばかりにこの暇になった時期を私は大いに楽しむのだ!

大人の生徒がレッスンに来ないと、ほんと!昼間は暇である。

そして、朝から私は自分が以前からやりたかった曲を思う存分!練習するのだ。

一日の練習時間はおおよそ7時間。これが以前からやりたかった!

普通の人ならギョッとする練習時間かもしれないが、この業界の人間にとって、この練習時間は普通だろう。いやもっと多いかもしれない。

何たってピアノを弾くことがデスクワークみたいなもんだから。

ただし・・・7時間ぶっ続けで練習するわけではない。

ここが、私のいわゆる、至高の幸せな時間なのだ!

ピアノに向かって1時間練習する・・・疲れる・・・そして、生徒からもらったコーヒー豆を挽いてアイスコーヒーを作るのだ!

うん!うまい!

ここで休憩30分。

そしてまたピアノの練習・・・今度は疲れて眠くなる・・・

最近疲れも溜まってるし・・・

そこで今度は毛布と枕を持ってきてクーラーをびんびんに利かせてレッスン室でぐうぐう寝るのだ!

寝ること1時間・・・。

さあ!またピアノの練習・・・とまた1時間経つと今度はちょっと集中力がなくなる。

そこで今度は気分転換に近所のコーナンへ買い物に出かける。

「なんだ、この台所用洗剤、ウエルパークの方が10円安いジャン!」といちゃもんをつけて、何も買わずに教室に戻ってくる。

そしてまたピアノの練習を再開する・・・。

お!午後2時とくればお昼のワイドショーだ!

さて、今日は八百長試合疑惑の特集か?・・・とテレビのスイッチをつけて・・・

こんなことをやっていると・・・

なんだ!結局実質3時間しか練習していないではないか!

しかし、このピアノの練習を中心に回るぜいたくな生活が私にとっては「つかの間の至高の幸福」なのだ!

なんたって、あと1週間もすると、大人の生徒のレッスンが始まる。

そうでなくとも、もう既に生徒からの「宿題」が出始めているのだ。

ショパンから幻想曲、舟歌、ソナタ第3番、ドビュッシーかららプレリュード、・・・さらにこれから生徒が持ってくるであろう曲の練習に取りかからなければならない。

多分私だけでなく、大学の先生やピアノに携わる教育者ならばこの悩みは同じだろう。

みんなどうやって時間を捻出しているのだろう?と不思議に思ってしまう。

さて、明日もまだ仕事的には暇である。

明日はどういう充実した幸せな暇つぶしをしながらピアノの練習をするかな?・・・