もしあなたがピアノ、しかもグランドピアノをこれから買うために品定めしようとしたら・・・いろいろと迷うことだろう。
今回私が新たにグランドピアノを購入するに当たって、いろいろとデータやら、試弾やらで経験したことをここに書いて、少しでも現在ピアノ購入を検討している少額の予算の一般庶民のために、少しでも参考になればと思ってここに書きました。
- 本当にスタインウェイはすごいのか?
- 私が現在のピアノを変えようとしたいきさつ
- 最近のヤマハとカワイはどうなの?
- 新品と中古どっちがいいの?
- どういうサイズ、グレードが良いの?
- どういう店がいいの?。
- さよならC7!〜僕は君のことを絶対忘れない〜
- さよならC7!〜僕は君のことを絶対忘れない〜part2
- cs2
本当にスタインウェイはすごいのか?
もちろん!スタインウェイはすばらしい!
でも・・・それは完全な整備をしてあるピアノならば・・・ですが・・・。
実際、スタインウェイはさまざまな研究をしてあるピアノです。しかもその研究を100年前に終わらせてモデルチェンジを100年前からしていないのですから驚きです。
100年前にここまで研究し尽くしたのか!と思える内容です。
単純には、とにかくピアノが良く鳴るようにできています。しかもあらゆるパーツが鳴るようにできている。そのため、とにかくいろんな良い共鳴音がするし、良く鳴るので奏者が無理な力を出さなくとも楽に音が出るのです。
ここがスタインウェイのすごいところ。
加えて小さい音もコントロールしやすい。
現在、市場には中古スタインウェイは数多く売ってはいますが、しかし残念ながら私が今まで見てきた中古スタインウェイはそのどれもがいまいちな鳴らない状態がほとんどでした。
それだけスタインウェイは完全な状態にする整備が大変だったり、完璧な復元、再生というのは難しいのだろうと思います。
実際、私が見てきたオーバーホールのスタインウェイで素晴らしいと思えた再生ピアノは前にも後にもただ一台。ニューヨークスタインウェイ直営工場が再生したスタインウェイただ一台のみです。
これは本当にすごかった。年代は1920年代物でしたが、全くもってストレスを感じないピアノで、鳴りもすごかった。
そういう意味で、私にとって中古スタインウェイを見かけても、たいしたレベルではないか?という、変な予測感をも持たせるものでもあるわけです。
またスタインウェイはその値段の高さでも有名です。私自身が探していたのは中古のセミコン~フルコンタイプですが、それは中古市場ではセミコンBでさえ800万円を下らないでしょう。
そして、それが完璧な整備が施されているのならいいのですが、そうでない場合は・・・最悪の場合、さらに整備や部品交換で買ったあとで2~300万円近くかかることも覚悟しなければいけません。
ここが、一般市民がスタインウェイに手を出しにくい、もしくは危険が伴う(?)面でしょう。
金銭的に余裕がある人ならばかまわないのですが・・・そうでないのなら・・・私は無理にスタインウェイは勧めません。なぜなら・・・そこまで高くなくてもそれなりにいいレベルの他メーカーピアノは探せばあると思うからです。
2.私が現在のピアノを変えようとしたいきさつ
私は現在ヤマハのC7というピアノを持っています。
このピアノ、決して悪くないピアノです。
低音は良く鳴るし、ボディが大きいゆえに余裕の音量が出ます。ただ・・・音色においては、やはり限界を感じます。
C7は小さい音で弾く分にはいい音が出るとは思うのですが、ひとたび大きい音を出そうと思うと、どうしても歪んだ音を出さざるを得ません。
それを防ぐために恐らくほとんどのC7は柔らかい音を出す様にハンマーをセッティングするのでしょうが、結局大きい音が出にくいというコンディションになるのです。最近の現行C7はまさにそういうセッティングだと思います。
つまり、柔らかい音で汚い音響をごまかす。最近の現行Cシリーズはその傾向がある様に感じます。
また、やわらかくきれいな音を出そうとソフトペダルを使って弾いても、やはりそれは一流のピアノに比べれば雲泥の差でしかありません。
多分設計?それとも響板のせい?どちらにしてもペダルを使用した時の共鳴音は上級クラスとはかなり差があると感じざるを得ません。
ただ・・・練習用としては十分良い性能を持ていると思います。
また、アクションはホールにおいてあるフルコンピアノにもっとも近いセッティング、タッチ感であることはいうまでもありません。
もし、オリジナルのC7が気に入らないのであれば、たとえば弦とハンマーを別メーカーにでもすれば多少改善はするかもしれません。
私が自宅にピアノを置いて自分が弾くために・・・ならばそうやってお金をかけずに何とかしのいだかもしれません。
しかし・・・ここはピアノ教室なのです。
私自身の考えは、ピアノ教室のピアノはスタインウェイのような最高のピアノを入れなければいけないと思っています。
なんたって生徒がその教室で弾くときにはホールで演奏会をすることを前提に弾くのですし、それを前提としてレッスンをしなければならない。
加えてテクニックのみの指導ならまだしも、より質の高い音楽性を指導する必要性があるのならば、最高の音色が出せる機種にしなければならないのは当たり前なことです。
このあたり、他の上級教室を見ていると疑問を持つことが数多くあります。
それが初歩段階の子供中心の大手楽器教室ならばかまいませんが・・・
私は今までいくつかの日本人音大教授のレッスン室に付き添いも含めて行きましたが・・・。
しかし音大教授でありながら、どういうわけかピアノはヤマハのC3、G3が・・・。
音大教授ぐらいになれば年収2000万円は越えているでしょう。しかしそれでなんでC3クラス???
しかも、音色、アクションなど、全くもって整備が見られないひどいのもちらほら・・・。
しかも大ふたを閉めた状態で上にいろんなものを載せてさらに音を出にくくしているし・・・。
この辺り、例えば練習の時にはコンディションの良くないピアノで練習した方が上達するには良いとかいう日本人教授も(?)いますが、そうならば一流のピアニストが自宅にスタインウェイを置くわけがない。
私は音大教授ならば例外なしにスタインウェイかヤマハのフルコン,もしくは最近出たCF6(1300万円)が標準装備、と私は思っています。
もちろん、たとえば自分はスタインウェイフルコンを弾いて生徒にはヤマハC3を弾かせる・・・まあ、音色も考えないで乱暴に大きい音で弾く生徒が来たら、まあC3しか弾かせないというのは・・・まあ多少は理解できますが(汗)・・・
しかし教室にC3しか置いていないというのは、自分の練習用に使っているということなのでしょうが・・・。
もちろん、それでもC3はとても優れたピアノです。
しかし、ある程度ピアノの世界に入り込めば、C3では、もはや満足できなくなるはず。
まさか、教授たるもの、自宅で全く練習なんて、もうしていない、なんていうことは・・・もちろんないでしょうが・・・(汗)
まあこれ以上の言及は避けますが・・・。
そういうわけで・・・私は教室のピアノをもっと良い機種にしたい・・・という思いがありました。
しかし・・・さすがにスタインウェイはちと資金的に・・・。
でもスタインウェイでなくともいい機種は他メーカーでもあります。
そんなおり、自分の生徒がヤマハのS400Bという名器ピアノを購入検討していると話を聞きました。
S400Bといえば知る人ぞ知るスタインウェイと初めて肩を並べた上級機種です。
恐らくこのピアノが出た時にはスタインウェイ社は相当焦ったでしょう。
しかし、そのS400Bもわずか8年で製造中止となってしまいました。
理由はあまりにもコストがかかりすぎて利潤が出ないとも、またこの頃日本を襲ったバブル崩壊のため、全く売れなくなってしまった・・・ともいわれていますが。
このS400Bは低音部はその弦の長さゆえ、C7ほどではないにしても、完全に中、高音部の音質はC7をはるかに上回ります。
自宅にあるピアノより教室のピアノの方がレベルが下である・・・これは絶対にあってはいけない話です(汗)
これが私自身が教室のピアノ探しを始めるきっかけでした。
2011.9.30
3.最近のヤマハとカワイはどうなの?
まずヤマハですが、私がいろいろな年代のヤマハを触っていて今回感じることがありました。
それは、ヤマハのピアノは1970年代に既にスタインウェイに次ぐレベルのピアノであったということです。
さらに言うなら、1960年代までのヤマハはまた今と全く違った領域のピアノ作りで大変レベルが高かったと言わざるを得ません。
残念ながらコンサート用のフルコンピアノのレベルは60年代も70年代もはたして十分だっかはわかりません。何ぜ大きいホールに響き渡らせる必要を考えれば、また別の次元で技術がいるとは思いますが、少なくとも家庭用、もしくは多少小さいホールでは恐らくかなりレベルの高いピアノを供給していただろうと思われます。
また70〜80年代のヤマハピアノはそのどれもがかなりレベル高く作られてると私は思っています。
それを痛烈に感じたのは70年代に作られたCFです。
私は昔はいくつかのホールでヤマハのCFやCFⅢなどを触った経験がありましたが、残念ながらどれも満足のいかないレベルで、「所詮ヤマハのフルコンなんてこの程度か?」と思ったものでしたが・・・これは恐らく整備が最悪だったのではないか?と思います。
そうでなくともとにかく巷のヤマハピアノは整備がひどいものが多すぎます。
これはヤマハのせいではなく、完璧に日本の調律師のレベルの低さゆえでしょう。
ヤマハ特約店の調律師のレベルがどうなのかは現代でも(?)わかりませんが、少なくともヤマハ本社で作られていたCFピアノは素晴らしいものです。
それを今回ある店の中古のCFを触って痛烈に感じました。
もちろん、前にも述べた様に、大ホールで、はたして十分な性能かはわかりませんが、サロンレベルの部屋ではレベル的には決してスタインウェイに引けを取らないレベルで、あとはピアニストの腕次第でどうにでもなるぐらいCFは完成度が高かったピアノだったと、この時わかりました。
つまり、たとえスタインウェイでなくとも、ヤマハのピアノで満足できる機種はあると私は思うのです。
もちろん、スタインウェイ特有の魅力はヤマハにはありませんが、しかしプロの練習にはCFは十分ではないか?と私は思っています。
ただ、フルコンやCS2、S400Bなどの様な特殊なピアノ以外の普及品レベル(C3〜C7)は残念ながらいくつかのパーツはコストダウンはしてあり、それらをスタインウェイと比べれば、確かに目劣りするのは致し方ありません。
しかし、この時代のヤマハはそれでもかなりポテンシャルの高いピアノであることは間違いなく、その証拠にたとえば弦やハンマーなどのパーツを純正以外に交換することにより、かなりレベルの高いピアノに生まれ変わることができます。
恐らく当時のヤマハ設計者はそういう改造も含めて以後出来る様、考えて設計したのでは?と思わせることが多々ある様です。
そういう意味でヤマハはその特性が気に入るのであればたとえ中古でも安心して買えるピアノだと思いますし、何も新品でなくとも中古で十分なのでは?と思うことは良くあります。
・・・ということは・・・はたしてヤマハのピアノに関してははたして新品を買う方が良いのか?それとも中古でもいっこうにかまわないのか?という疑問が出てくると思いますがそれは別項で説明したいと思います。
2011.10.6
4.新品と中古どっちがいいの?
正直に言います。
どっちでも問題ありません(笑)。
というと、では中古は本当に問題ないのか、と言われそうですが•••。
はい問題ありません。
よっぽどの悪徳販売会社でなければ•••。
ピアノというものは車と違います。
車は日進月歩で開発されている機械です。
10年前より現代の車の方がはるかに進んでいることは事実です。
しかし、ピアノは•••もうすでに開発は終わっているのです。
何か新しい機能は•••なんてないはずです。
あったとしても、それはおそらく音に影響はない、付加的なものでしょう。
つまり、10年前や20年前、いや30年前の国産ピアノに大きな違いはないのです。
むしろ、昔のピアノの方が、コストをかけて作られていることが多く、もちろん現代のピアノも値段の高いピアノはよくできてはいますが、反面非常に値段が高い設定になっています。
一方で、多少はその時代のニーズに合わせた志向を作っているので、ヤマハで言えば、昔のピアノより現代のピアノはどちらかというと柔らかい音作りになっているはずです。
なのでもし、より鋭い音、華やかな音が好みの人は昔のヤマハピアノの方が好みに合っているかもしれません。
ヤマハピアノに関して言えば、1970年代、1980年代、2000年代、そして現在の2010年代、
全て志向は全く違います。
やはり現代に近づくにつれて、音はまろやかになっているような気がしますが。
一方で•••。
果たして中古を買って心配はないのか、という疑問ですが•••。
はい、全く心配ありません。
今まで3台も中古を買っているのですから、全く心配いりません。
ただし何度も述べましたが、よっぽどの悪徳販売会社でなければ•••。
ピアノは車と違って雨ざらしではないですし、多少の湿気の影響があっても、特に国産は丈夫なことが多いのです。
唯一問題があるとすれば、響板。ここにヒビが入っているものは避けたいところです。
しかし、まともな販売会社であれば、そういうピアノは売らないと思います。
新品と中古においての決定的な差は、消耗部品です。
ハンマー、フェルト、ピアノ線。
これらが消耗部品なので、これらを正直交換してしまえば、全く問題ないと言っていいと思います。事実、私のピアノは弦を交換して、一応オーバーホールして、弦圧もチェックしているので、正直新品となんら変わりないと言っていいと思います。
もちろん、そこまですると、工賃でかなりの費用がかかるので、オーバーホールの金額+中古本体価格と新品と比べて、新品の方が安いのであれば、新品で良いと思いますし、弦や、ハンマーはかなりくたびれているけれども、まだこの状態で我慢して使ってもいいと思いのならば、買えばいいと思います。
正直、よく「中古ピアノには全オーナーの癖があるからやめたほうがいい」なんて聞きますが、正直、笑っちゃいます。
一体どういう癖なのか?•••私はそんな癖は今まで見たことありません。
全オーナーの好みでアクションを整調、もしくはハンマーを針刺し、というのならわかるのですが、仮にやっていたとしても、それはまた調整しなおせば、元に戻るだけの話です。
思っている以上にピアノという楽器はどれもこれもそれほど違いはないもので、オーナーによる多少の調節があっても、微々たる変化でしかありません。
ただまあ•••。
あまり中古は問題ないと書くと•••新品が売れないのは国産メーカーにとっては死活問題でして•••。
•••なので、もしわずかでも、ご心配があるようでしたら•••。
私は絶対的に新品をお勧めします!!。絶対に安心です!!。
2016.08.26
5.どういうサイズ、グレードが良いの?
ピアノというものは、正直グランドピアノであれば、サイズは最小でもかまわないと思っています。
練習においては、最小サイズであってもなんとかなるもので、ヤマハのC1などは結構良くできていて、決して練習だから使えない、ということはないと思っています。
しかし、人間というものは贅沢な生き物で、よりいい音、より響の豪快なものを選びたくなります。
そこでユーザーはワンランク上の音質のピアノ(ヤマハでいうSシリーズ)、よりピアノ弦の長いピアノ(C7など)を選択肢に選びます。
もちろん、よりいい音質などを求めることは当然ではありますが。
さて、そうなるともし、サイズの長いピアノが良いのか?それとも音質の良いピアノを選んだ方がいいのか?という選択に困ることもあります。
さらに長さにおいてはどこまで長いものがいいのか?と迷うこともあります。
これは難しい選択で、まあ正直に言えば「両方欲しいところですね」となりますが(笑)。
ピアノというものは実は、車と違って、別に10年でダメになるわけではないのです。
整備、パーツ交換を繰り返せば一生使うことは可能です。
なのでできれば、もう買い換えることがない可能性を考えて、なるべくレベルの高いものを買うことを勧めます。
別に中古でも良いのです。
私自身はできれば7サイズでヤマハでいうならばSシリーズを中古で探してくるのがいいと思っています。
さらに言えば本来は中古でフルコンを買ってしまう方が、後々買い換えなくていいと思っています。フルコンはあまり知られていませんが、ヤマハのCF(1970〜80年代)の中古なら300万円台で売っています。
人間の欲望を尽きることがないので、どこまでもさらに上級機種が欲しくなるものです。
よくある話で、当初はC3を買って満足していたがすぐ飽きて次にC5、次にC6、その次にS6を買ってしまって、その次に海外製のピアノ、という買い方をしている人がいますが、だったら最初から海外製のピアノを買えばお得だったはずなのです。
もしくは私からのお勧めはC7やC6サイズの中古を買って、後でオーバーホールをする時に弦、ハンマーを海外製のパーツに替える方法もあります。
私も実はパーツを海外製に変えたG3を持っていますが、これがなかなかのレベルです。
ただ、何度も言いますが、ピアノの練習自体は別にC1でも十分です。
あくまでも人間の欲望は尽きないものなので•••。
2016.09.11
6.どういう店がいいの?。
以前私は中古ピアノを買った時に、ひどい虫食い状態のピアノを買った時があります。
虫食いといっても、内部のフェルト(羊毛パーツ)が食われているだけで、本体の木がシロアリなどに食われているわけではないので、致命的な損傷ではないしにろ、後でそのフェルト交換だけで工賃込みで50万円もかかってしまいました。
通常は、虫食いピアノなどは、良識のある店では売らないのが普通ではあります。
しかし、そういう悪徳販売店を見分けることは、この私でさえ難しかった。
やはりピアノ内部においては素人同然でしかないのです。
結局、一般の人は、やたら安いピアノや、個人経営の販売店はよっぽど信頼のおける店でなければ、判断は難しいので、私から言わせれば、安心な道はヤマハ、カワイ特約店ということになります。
個人経営の店においては、単純にその店がマニアックか否か、で判断ができると思います。
まあマニアックかどうか•••というのは、単純にやたらグランドピアノや輸入ピアノなどが勢揃いで売っている店などがそうなのですが•••しかし私が買った虫食いピアノはそういう店だったもんで(汗)
やはりこの辺り、非常に難しい問題です。
ただ、ヤマハやカワイ系列の店が高いかといえば、決してそんなことはないのではないかと思っています。
多少高くとも、決して特約店は、やばい品物は売りません。当然です。
なので安心料ということを考えれば、それほど高いとは言えないかもしれません。
もう一つ、ウルトラ購入方法を紹介します。
特約店といえども、なかなか在庫がないのが現状。
そこで•••。
特約店でもいいし、信頼のおける調律師でもいい。それら業者に頼んで、あるお店に行っていただくのが、現在の最も新しい方法なのです。
それは•••。
www.pianobank.net
ここは中古ピアノの卸売り店です。
正直、品揃えは半端じゃないです。
まあ、この会社、知る人ぞ知る会社。業界では超有名、卸店。
どこの販売店も勝てないです。
ただしここは一般の人は買えません。仲介業者を介して買うのですが、その仲介業者というのは、特約店でも、調律師でも大丈夫なはずです。
ここでピアノを卸してもらって、その後信頼のおける店で整備をして売ってもらう。
できれば、工房を持っているマニアックな調律師がベストなのですが•••。
もちろん、現地に赴けば試弾ができるはずです。
おそらくこれが一番安心で自分の欲しいピアノが見つかりやすい方法だと思います。
2016.08.28
7.さよなら!C7〜僕は君のことを絶対忘れない〜
私があのC7に出合ったのは33歳の頃。
それまではカワイのグランドピアノを使っていたが、これがまたひどいレベルで、はっきり言って自分が今までピアノが下手だったのはすべてこのせい(?)と言っても過言ではない欠陥ピアノだった。
早いとこ、ヤマハのピアノを手に入れないと・・・と焦っていた私だったが、だからといって7サイズものでかいピアノを・・・という気はさらさら当時はなかった。
それが、たまたまある店先でC7の中古を見てしまったのだった。
またその店の営業の方が私の知り合いだったというのもあって、話はどんどん進んでいってしまった。
当時の私にとってはかなりの出費だったが、それでもC3の中古と比べてそれほど値段が変わらなかったので(つまり、どデカイので誰も買ってくれずに値が下がり続けたのだろう・笑)思い切って買ってしまったのだった。
C7を手に入れてから私のピアノレベルは本当にうなぎ上りに上がった。
今の私がいるのは本当に・・・すべてあの、C7のおかげである。
あのC7は本当にいろんなことを私に教えてくれた。
そして、調律師によってC7は最大限の性能を生かせる様、内部を改造されて、とても弾きやすい、かつ良く歌うC7に仕上がったのは、私の生徒諸君なら皆承知の内容である。
本当にあのC7は素晴らしいピアノだった。
そして、私の教室のほぼ開業当時から唯一今日まで出て行かずに付き添ってくれた(???)素晴らしい伴侶である。
伴侶とはこうでなくてはならない。勝手に自分から「他のご主人を捜しに出て行きます」と言って出て行く伴侶とはわけが違う(?_?”・汗)
出来ることならあのC7は手元に置いて置きたかったのだが残念ながら日本は一夫多妻制ではない・・・いや間違った・・・教室に2台もピアノを置くスペースがないのだ。
しかも、ピアノを2台もつということは2倍、維持費がかかるのだ。
たまたま、今回新しいピアノを買う店がC7を高値で買い取ってくれることになり・・・まあ、誰かまた私の様な欲しがっている人の手にゆだねられるのなら・・・新しいご主人にまたかわいがられてくれるのなら・・・という思いで、手放すことに決めたのだった。
あいつは私の教室スタートからの私のほぼ人生すべてを知っている(いやだからって、まずいことは赴任先でばらさないでくれよ・汗)
そういう意味で手放すのは惜しいことなのだが・・・。
教室の生徒達も、うれしいことに、みんなC7との別れを惜しんでくれた。
ただの木の固まりなのだが・・・そこが木の固まりと単純に判断しない、よく分かってくれる生徒諸君ばかりが習いにきてくれている教室の講師としては感無量である。
あのC7を次に手に入れる人がもし、このHPを検索で探し当てたのなら、ぜひかわいがって欲しい。
あのピアノはかなり手入れをされていて、最高位のコンディションにしてある。
多分歴代C7の中でも抜群のレベルである。
かつ、20年経っているがまだまだ疲れを知らない。
あなたがもし、ピアノを上達したければ、全部あのC7に教えてもらえば良い。
単純にあのピアノが出す音に耳を傾けて聞いて欲しい。
これで十分か?まだまだ磨き足りないか?
あのピアノはすべてを教えてくれる。
2011.10.17
8.さよなら!C7〜僕は君のことを絶対忘れない〜part2
今日はCS2が搬入されてC7が搬出されるお別れの日。
業者が到着する寸前まで私はC7を弾き続けた。あいつは最後まで良い音をかもし出して鳴っていてくれていた(涙)
最後までかわいがってやった鶴の恩返しであろうか?
この教室に嫁に来て以来(?)何の音も劣化せずにここまで頑張ってくれた。
既にCS2が到着していて前妻C7(?)が運び出されるのを待っている(汗?)
いよいよ運び出しに取りかかった。
部屋の中央まで運び出す。こうして見ると大きさに改めて驚く。
前のオーナーはどういう人だったかはわからないが、私の所に来てからは最高のコンディションで管理したせいだろうか?響板やフレームの木は20年経っても美しいままだった。
まさにピチピチの20歳ギャルだったのだ(汗)
そんな若いギャルを自ら手放すとは・・・(涙)
いよいよ梱包されてトラックに載せられる。
胸の鼓動が高まる・・・。
いいのか?本当に良いのか?本当に手放しても良いのか?
頭の中で思いがぐるぐる回る・・・。
そうやって今までお前はこのピアノの様に何人もの女性を捨ててきたのだぞ・・・
・・・いや違った。そういえば捨てられてきたんだった(汗)
ちょっと待って下さい!!そのピアノはやはり私の手元に・・・!
・・・と何度言おうとしたことか・・・(迷)
ああ・・・とうとう入ってしまった・・・。
貧乏な上にうさぎ小屋の教室しか持たなかった私が悪いのだ・・・。
許せC7。。。。
次のオーナーの人にも十分かわいがってもらってくれ(泣)
2011.10.21
9.cs2登場
いよいよ搬入されるCS2
いよいよ奥深いジャングルに入っていく。
奥行き2m70cm。幅1m75cm。
余裕でカダフィを10人安置できそうなスペースにCS2が1台のみすっぽり入る。
世の中今やコンパクトが売りの時代に2m30cmのばかでかい奴。
もうちょっと技術の革新で小さくても性能の良いピアノは出来ないものか(笑)
部屋の中で組み立てる。側板がこんなに分厚いピアノは初めて来た
さて、このピアノ、デザインは全く前のC7と変わらない。
見た目では全然わからないのだ。
ただし、弾いてみれば全く違う。
その辺りを次回説明したいと思う。
驚くべきことに・・・このピアノはスタインウェイ100%コピー品だったのだ!
このピアノは完全にヤマハのピアノではない・・・。
2011.10.27