最近非常に思う事があります。
ピアノの上達には様々な要素が必要で、暗譜力、表現力、テクニックに分かれるのではないかと思うのですが、この3つの要素を達成するのにどうしても避けられないものがあるのです。
”集中力”
おそらくこの事に気がついている人はあまりいないでしょう。(もっとも学習塾では研究が進んでいるかもしれない)
人間が最大限の能力を発揮して最大の効果を引き出すにはこの集中力が必要だと思っています。
しかし、そういってもおそらくピンと来ない人も多いはず。
なんたって私自身も、その集中力に関しては最近ようやく備わったかな?という感じなのですから。
ついでにいえば、もともと集中力がある天才は「集中力?何それ?」と無意識に集中力を使って真剣に考えてしまうので天才もきっと分からんでしょう。
先天的に集中力を備えている人はどうやったら集中力を高める事ができるか、分からないでしょうが、意図的に集中力を高める事が出来た人ならば、その方法が分かるのではないか、と気がついたのです。
とりあえず、集中力がない場合の現象をここに挙げてみましょう。
本番編
- 曲を暗譜したと思ったのに本番で分からなくなってしまう(実は暗譜をしていないんです)
- 曲がなかなか暗譜できない(曲の構造を考えていないのです)
- 子供の頃はちゃんと暗譜できたのに・・・(曲の音符が増えて頭の無意識自動演奏メモリーが追い付かなくなっただけ。ボケたのではない!)
- 本番の時に、自分の演奏のふがいなさによーく気がつかされる(神経が研ぎすまされてものすごく集中していますから!)
- 本番は緊張するから自分はうまく行かないと思っている。(本当は緊張していても仕上がっていればうまくいきます)
- 本番になると体に力が入ってうまく弾けなくなる。(普段から力が入っている事に気がつかないだけ)
- 同じところで必ず弾き間違える(これがすべて偶然ならば、明日からトトカルチョに毎日通うかな?)
練習編
- 練習している時に全然別の事を考えて練習している事がある(もっとすごいつわものは、本番中に考えている!)
- 1日5時間練習しても疲れない(本当は集中して2時間も練習すればとてつもなく身体が疲れます)
- 反復練習ばかりやっているにもかかわらず、うまくならない(飛行機の自動操縦状態です)
- 自分の音をぜーんぜん聞いていない。(弾く事に神経がいっているか、実は明日の彼氏とのデートの事を考えている)←おっと、これはセクハラだ。やばい。
子供編
- 何度注意されても、指摘された部分が直らない(頭が悪いわけではない)
- ピアノの前に座ってターラタラ練習している(いっそのこと家の掃除をしましょう)
- テレビを見ながら練習している(聖徳太子以外不可能です)
- 落ち着きがない。
番外編
- ビンボーである。女にもてなかった。何で俺はホリプロから誘いがなかったのかと悩む。
- ああ今日はトイレ掃除をしなければいけない日かと悩む(これは関係ないか・・・)
何でもそうですが、何か出来ない時に、「私は才能がないから」とかたずけてしまう事があります。確かに世の中、天才は存在するでしょう。
でも、本当に自分の場合、本当に才能だけでかたずけていいのか?
私から見た場合、生徒が「私には才能がない」と言っているそのほとんどが単に集中力がないから、という事がほとんどでした。
しかし、いままでは、ではどうやったら本人にその集中力を付けさせて問題を解決させられるか、その方法が漠然としていて、なかなか導ききれなかった事が多かったり、時間が過ぎればそのうちに集中出来るようになるだろう位しか考えなかったのですが、この辺りをこれから当分のライフワークとして研究してみようと思っています。
ただ、ここで一つ、気を付けて欲しいのは、人間は究極の集中力を長時間使い続けると、大脳でエネルギーを大量に消耗するせいか、恐ろしいほどの疲労が後で襲ってきます。もしかするとこれは身体に非常に悪い事かもしれないので、使用にはくれぐれもお気を付け下さい。