再びX国講習へ〜即身成仏を目指せ!〜

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再びX国講習へ〜即身成仏を目指せ!〜

人間には108の煩悩があると言われている。

その煩悩すべてを取り払わないと、解脱できないと言われている。

ピアノがもしうまくなりたければ、あらゆる煩悩を取り除いて、自分がうまくなる事に集中しないとできない。

高齢だからとかいう、くだらない悩みやどうでも良い迷い、または世間の評判や、他人からの誹謗中傷,名誉欲・・・。

そういうことにいちいち反応していてはピアノはうまくならない。

ピアノがうまくなるという事はピアノとだけ向き合うという事であり、それ以外の雑多な事に神経を注いではいけない。

まるで僧侶になるぐらいに気持ちじゃないと、とは思うが、しかし・・・近頃の坊さんはどうだろう?

ランボルギーニを乗り回す有名な坊さんもいれば、ご近所では改造したアルファロメオで爆音を立てて走り回っている変な坊さんもいる。

今じゃ、僧侶になっても、解脱しちゃいない坊さんもいるんじゃないのか?

ならば・・・ここは一つ、さらに上を目指した即身成仏を目指したほうがいいんじゃないかと。

今の私がうまくなるには、即身成仏を目指す様な精神でないと・・・と思ったものだ。

そうでなければ、もっと哲学的に極めないとうまくなれない。

そう、X国の教授連中は、哲学的に極めていた。

普通の人間にあの様な演奏は出来ない。

かといって、ただ単に先生の言う通りに弾いていても、極めた演奏を今後出来る保証はない。

私は普通にピアノを弾くことはできる。もちろん、テクニック的に不完全ではあるけれど(笑)

しかし・・・

うまく弾きたければ、何かを変えるか、持つかしないと変わらない。

すなわち、哲学か、即身成仏か・・・。

私は頭が悪いので、哲学を究めることはできないと考え、即身成仏を選んだわけだ(爆)

私が即身成仏を目指したい、という考えに到るほどのX国夏期講習。

これを機に私自身が変えられるのか?それとも今までと同じく、ありきたりな人間になるか?

それがこれから報告する、X国夏期講習である。

ところで即身成仏を目指すんだったら・・・

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こーんなことに対する煩悩も打ち消さねば(汗)・・・。

2014.7.26


X国ヘ向けて旅立ち

さて、去年に引き続き今年のX国夏期講習であるが、去年は何がなんだかわからないまま、終わってしまった感じがあったが,今年は準備もある程度出来た状態で挑んだので、ちょっとは・・・まあノックアウトされた状況が分かりました(汗)

去年は気がつかないうちにノックアウトされ,以後気絶していたんで(笑)

さて、X国への旅程ですが、いつも悩まされるのが飛行機代です。

誰だって、海外旅行で悩むのはやっぱり飛行機代です。

そもそも海外旅行で一番,ウエイトを占める費用は飛行機代なのです。

これをどう、おさえるか。

逆に言えば、飛行機代が安くならなかったら、正直、今年の夏期講習は諦めていたと思います。

なんたって、今回の飛行機以外は軒並み、今年は13〜15万円でしたから。

ちょっとここまで高いと考えてしまいます。だったら国内の夏期講習を探したほうがいいんじゃないかと・・・。

しかし、国内ではたしてX国夏期講習並みのハイレベル講習をしかも、年齢制限なしで(笑)受けられるのか?

また、海外の受講生徒達の演奏を聴けるのも一つの利点です。

さて、今回利用した航空会社はカタール航空です。

たまたま、羽田就航記念で8万円という破格の安さで買えたので良かったのですが・・・まあこんなチャンスは来年はないかもしれません。

さて、今回は羽田からだったのですが、この羽田国際空港、ななんと!今まであった「懺悔コーナー」がありませんでした!。つまり、「ニセ物コーナー」です。

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きらびやかな免税品コーナー。しかし・・・。

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お目当ての「ニセモノコーナー」がない!

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ない!!

ない!!!

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懺悔コーナーがないのは何とも寂しいものです。

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とりあえずカタール航空に乗り込みます。

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機内はとてもきれいな色でしたね。

カタール航空は現在人気度no,1の会社で何一つ不満はありませんでした。

それ以上に安いというのは魅力でしたが、いやあ・・・私は安ければどの飛行機でも乗りますよ。

安けりゃなんでもいいんです。たとえカザフスタン上空を通ろうが、北朝鮮を通過しようが、撃ち落とされたらそれだけの人生だったと諦めれば良い。

私がいなくても世界とピアノ教育界は回る。

・・・特にピアノ教育界は邪魔者がいなくなって気持ちよく回ることができるだろう(笑)

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途中乗り換えで寄港した「ドーハ空港」。

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アラビア文字・ぜ〜んぜん、読めません(汗)。ドーハで夏期講習なんかあったらお手上げですな、こりゃ。

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オオ!なにやら特攻服着てる奴いるじゃん!・・・と思ったらアラブ人でした。

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まあ本当はアラブの女性を撮るのはタブーなんですよ。なのでこっそり慌てて撮ったので、ぶれていますが、本当にアラブの女性は目しか見せていないんです。アラブ世界では女性は他人に顔を見せてはいけない規則があるらしいのですが、どう考えても人権問題としか思えないんですよね。圧倒的に女性の人権は制限されている国です。

加えて・・・顔が見れないじゃん(悲)

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トイレに入ると・・・ん?。電話かシャワーか??

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おお!シャワーだ!。さすがオイルマネー国。サービスでトイレでシャワーを浴びれる様にしてあるのか!・・・と思ったら・・・。

いやこれはいわゆる「手動ウォシュレット、トイレ」です。

つまりこのノブを、手に取って・・・あそこへ持ってくわけです(笑)

でもこれね!ちゃんと温水が出ましたよ。ちょっと勢いがすごかったけど・・・。

しかしなあ・・・やっぱり日本のウォシュレットの方が性能が良いですよ。

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ようやくX首都に到着。

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街行く姉ちゃんもカッコいい!さすがX嬢!

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列車に乗ってX都市に向かいます。のどかな風景が続きます。

2014.7/28


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いくつもの林をくぐり抜け・・・

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ああ・・・とうとう着いてしまった。X駅に・・・。

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そう、こんな駅だった・・・。汚なくて、寂れた駅。『X駅』

私にとっては『帰還』ともいうべきX駅。。。

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・・・と、そこへ、1台のオンボロ列車がゆるゆるとホームに入ってきた。

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とんでもないぐらいのオンボロ列車。

・・・と、この時、私はある曲が頭によぎった。

あなたはこの曲を知っているだろうか?

あるロシア画家が、一艘の古いオンボロ船が母港に帰還する所を描いた絵『帰還』という題名の絵を展示したそうだが、その絵を見たラフマニノフが抱いたインスピレーションから、この曲が生まれたそうだ。

ところがこの曲が出版されてから時を経て、ピアニスト、モイセイビッチも同じく、この絵を見た時、偶然にもラフマニノフのこの曲が頭に浮かんだという。

二人がこの曲について後日話をした時に、偶然にも同じ絵からインスピレーションを持ったという事に、驚きを二人とも隠せなかったという逸話が残されている。本当かどうか、分かりませんが(笑)

そして・・・私はこのX駅に着いた時、自分の『帰還』と、この列車の『帰還』を重ね合わせ、この曲が頭に浮かびました。

この曲の様に、重苦しく、憂鬱な思いでX駅に着いた私。

決して嬉しくはないX駅への『帰還』

何で私はまたしても、この駅に来てしまったんだろうかと。

私は何故そうまでして、この講座を受けに来たのだろうか?

おとなしくしていれば、私は安泰の生活が日本で営める。

教室の運営は,おかげ様で、そこそこうまくいっていて、裕福とは、ほど遠いが、一応食えてはいる。

別にピアノがこれ以上うまくならなくたって、私は困るわけじゃない。

なのに、これ以上何を望むというのだろうか?

・・・そこには、実は何がしかの自分の願望がある。

・・・そう、私はあの『ドア』をまだ開けてはいない。

そう、あの『ドア』だ。

あの『ドア』を開けた時に、ある領域に達する。

ある一つの事を成し遂げることのできる、あの『ドア』だ。

あの『ドア』を開けて中に入りたい。

良い歳した私が未だに、ピアノが満足に弾けない事をひょっとすると、回りは馬鹿にするかもしれない。

そう、

「あんな良い歳して、先生やっているのに未だに勉強が足りないのかね?」

「なんだ、ピアノの先生やっているのにピアノ、うまく弾けないんだ(笑)」

「良い歳して年下かもしれない先生に習いにいくのか?」

まあ、このHPを見て、いろいろ思われているのかもしれない。

そう、私は先生としては失格である。

良い歳して、まだ勉強が足りない。

良い歳の時にきちんと勉強しておけば良かったのだ。

でも・・・じゃあこの歳になったから、もう諦めておくかって?

このまま、自分の実力は隠して死ぬまで貫き通すかって?

もちろん、そういう先生はいるかもしれない。

自分は弾けないけれども、教えることはできる。

自分の事はごまかして生徒を指導する。

それは簡単だ。口だけで指導すれば良い。

ある程度まではそこそこ出来るだろう。

でも・・・私は自分が弾ける様になりたいのだ。

ちょこっと模範演奏で指導して・・・そういう先生像はもう望んでいない。

生徒を指導する前に、自分がピアニストとしてのドアを開きたい。

私は他人が自分の事を馬鹿にしたとしても、何とも思わない。

正直、気にならない。

私は自分の事で精一杯なのだ。

そんなことより、他人は下手な人のことなんか気にならないのが普通だ。

それより、うまい人の方に感心がいくものだ。

下手な人なんかいても「あれ?」と思って、その次にはその人への感心は無くなる。

だから「恥ずかしい」なんて感情、海外では持つだけ無駄というものだ。

もちろん、下手な人に関心を持つ人もいるかもしれない。

でも、そういう人は実は・・・ピアノが下手な人なのだ。

なんでもそうかもしれないけれども「自分はそこそこうまい」と思ったときは、(天才を除いて)とんでもなく下手な事が多い。

インターネットでどうのこうの、くだらん事を書いている人は自分が下手な事に気がついていないか、強烈な劣等感がある人だ。

それだけ、心に不必要な余裕、もしくはすさんだ気持ち,ひがみがあるのだ。

もし、自分の下手さに本気で悩んでいたなら、そんな他人の事なんか気にする余裕はない。

それが、ここ、X講座に集まっている受講生だ。

みんな自分の事で悩んでいる。

誰がうまいとかは感心があっても、誰より上とか、誰が下とか・・・そんな事考えちゃいない。

人は、そうやって上昇志向が強くなると、悪い口は叩かなくなる。謙虚になる。

私も昔と違って、悪い口を叩く余裕がなくなってきた(笑)

そう、自分の事で精一杯。

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大学への道を歩いていく時に頭に浮かぶ曲は・・・

ショパンのスケルツォじゃなくて・・・

そう・・・こんな場違いのレベルの場所に良い歳こいて

・・・よせばいいのに・・・

そして,レッスンが終わった時に頭に浮かぶ曲は・・・

そう・・・

・・・いつまでたってもダメな私ね〜・・・

2014.8.3