多彩な音色(タッチ)の作り方

8.最終的には自分の耳、感性が多彩な音色のテクニックである。

多彩な音色の決定は何?と言われたら、自分の耳と感性、が答えです。

どういう音が欲しいのか?自分の中に理想の音がなければ、多彩な音色の作成はできません。

材料は上記に述べたとおり、音量、音の硬さ、左右ペダルです。

この材料をいかに芸術的に使いこなすかが最終段階のテクニックであり、むやみに音量、音の硬さ、左右ペダルを使って音色の変化を成し遂げたとしても、人を感動させられません。

それには、どのように音楽を作り上げたいのか?が必要になります。

ピアノに触れる前の段階ですでに、音色の研究は始まっているのです。

9.某極寒国による名前の日本のテクニック奏者たちは音色の正体がペダルの倍音であると言っていますが残念ながらそれは正しくありません。

倍音とは右ペダルを踏んだ時により響く効果音(共鳴音)を指しますが、音色の正体はペダルを使用する倍音である、と言う人達がいますが、あまり正しくありません。

このテクニック奏者達は基音(ペダルを使わない音)は大事ではなくて倍音(ペダル効果音)が最も重要であると言っていますが、あまりに漠然としたお粗末な言葉の説明です。

倍音のみでは多彩な音色は成立しません。また倍音が重要であると言ってしまうと、ではペダルを使わないバッハはどうなんだ?と言うことになります。

某・極寒国による名前のテクニック奏者たちは倍音が全てであると言っていますが、その某・極寒国の有名なタチアナ、ニコライエワの演奏するバッハはペダルをほぼ使っていません。

ペダルによる倍音を使わないニコライエワの演奏は果たして音色が乏しいと言う論理になるのでしょうか???

また全くペダルを使わなかったことで有名なグレングールドのバッハ演奏は倍音を一切使っていないので、音色が単調な演奏と断言して良いのでしょうか?

ペダルによる効果音(倍音)ももちろん重要です。

確かに最後はこのペダル音が決め手になることは多いですし間違いないです。

しかし、それでは単にペダルを踏んで弱い音で弾いて、それで多彩な音色が出てくるのかといえば、それほど単純ではないのです。

おそらく上記の人たちは弱い音とペダル音を用いて弾いて、その弱い音が重要な倍音であると述べているようですが、それならば倍音ではなく”弱い音”と説明すべきです。

言っている意図はわかりますがおおよそ一般人に誤解を生じさせます。

おそらく重要なことは、硬い音にならず、ある程度の音量と硬さの音量を出すこと。またはソフトペダルを用いて柔らかい音も出して演奏すること。

これが倍音という意味不明かつ理解不能にさせる説明に変わる説明だと思います。

こちらにはyoutubeによる解説もございます。

10.音色の変化には重量(重力)奏法がカギとなります。

今までの話は音色は音量と音の硬さの調節が正体であると説明してきました。

しかし音量の調節は意外と難しいものです。

自由自在に音量の調節ができる方法はないものか?

そこでようやく、タッチ(弾き方)に言及が及ぶわけなのです。

タッチが重要なのではなく、どういう弾き方をしたら、音量の調節が楽になるか、ということなのです。

重量奏法は疲れにくく、速く弾けることだけが目標ではなく、音量の調節のしやすさがポイントなのです。

単純には小さい音量を作りたい場合は、重さを軽くして弾く。

大きい音量の場合は重くして、もしくは鍵盤を押したり引っ掻いたりして弾きます。

11.倍音についての定義

音色に関して、とある某・極寒国のテクニック奏法指導者達は音色の説明に”倍音”という言葉を多用するのですが、これは音響科学的に間違っています。

ペダル音とか弱音とかソフトペダル音等、別の言葉で説明しないと誤解を招きます。

ここで彼らの言う「倍音」「基音」と言う言葉について音響科学的に誤解を生まないためにも正しく説明をしたいと思います。

倍音と基音について

基音とは何一つ派生した音がない純粋な音を指します。

NHKの時報でピッピッポーンといった最後のポーンという音がまさにその「基音」です。

それに対して倍音とは一つの音に含まれる他の波形の音をいいます。

倍音は様々な音があり、かつ様々な波形がありますが、ピアノで説明すると、ペダルを踏んだ時には弾いた音以外に様々な音が発生して響きを作っています。

これが「倍音」と言われています。

倍音はグラフで表すと以下のように、様々な別の音がペダルによって発生します。

一番左にあるのが「基音」と言われています。

基音はいわゆるペダルを使わない弾いた音自体と考えてよろしいと思います。

倍音はペダルの響き音、と考えて構いません。

ただし、音響科学的にはピアノをペダルなしで一つ鳴らしてしまったら、基音だけ鳴ってはいません。

実際はペダルを使わなくとも、かなりの数の倍音が発生しています。

ここが、「倍音」「基音」と言っている人たちの音響科学的に根本的な間違いです。

もちろん調律師たちは、ペダルなしの音を「基音」ペダル音を「倍音」と言っていますが、あくまでもそれは業界内のピアノを整備するときの「業界整備言葉」であって、一般学習者に言うべき言葉ではありませんし、音響学的に間違いです。

また倍音は上記のように楽器によって異なります。

木管楽器のような柔らかい音の楽器は倍音が比較的少ないようです。

逆にトランペットのような金管楽器は鋭い音であればあるほど倍音が多く出るそうです。

ここから言えることは、ピアノの場合はペダルを踏んだ時に、音を強く叩いた場合は倍音の数が非常に多くなり、金属的な音になります。

また逆にソフトペダルを使った場合は倍音は極端に少なくなり、木管楽器のような柔らかい音になります。

ピアノはペダルを使って大きい音を出せば金属的な汚い音が出ます。

これは数多い倍音が出てきたわけで、基音だけではありません。

汚い音(金属音)の正体は基音+倍音であり、倍音自体が全て美しい音ではありません。

ここが某極寒国テクニック奏者の根本的な誤解を生んでいる間違いです。

つまり倍音は美しい音もあれば汚い音もある。

倍音という言葉だけで、美しい音を出すという非科学的な説明はピアノ教育市場を混乱させるだけです。

もっとピアノ学習者にわかりやすい言葉で説明したほうが良い。

また上記の奏者は「基音」は汚い、価値のない音と説明していますが、ピアノのペダル音は

「基音」+倍音」

です。

基音がなければ倍音も発生しませんし、倍音のみでは音として成立しません。

なぜ某極寒国テクニック奏者は上記のような説明をするのか理解できませんし、全くもって非科学的、かつ誤解を生じさせる説明です。

彼らがなんとなく表現したい意味合いはわかりますが、学習者には的確な説明ではありません。

大事なことは基音とか倍音という、どうでもいい言葉ではなく、いかに弾く音の強弱に敏感になるか?ということだと思います。

(作成中)


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