6.大事なのは”倍音”ではなくて「伴奏音」。倍音は重要要素ではない
倍音、基音・・・最近になってよく聞く言葉です。
私も昔は一体何の意味なのかわからなかったのですが・・・。
そう思っている人は多いと思います。
この2つの意味をよく知らないとピアノが上手く弾けないんじゃないかと。
実際は・・・そんな言葉知らなくて十分です。
何の意味もなさないですし、余計に惑わされるだけです。
もちろん「倍音」と主張する人たちの言い分はわかります。
でも言葉を選んだ方が良いと思います。
その言葉だけだと、勘違いする人が出てくると思います。
簡単に説明しますと、倍音はあくまでもペダルを使った時のピアノの中で鳴り響いている共鳴音です。
一方、基音とはその共鳴音を発生させた元の音です。
実際重要なのは、倍音ではなくて、伴奏音です。
伴奏音には基音と倍音が両方含まれます。(ただしこういう言い方も結局は理解しにくいと思いますが)
倍音のみでは演奏は成り立ちません。
輪郭がはっきりしない、ぼやけた演奏になってしまいます。
大事な点は、いかにして伴奏音を小さく、かつ音楽的に演奏できるか?
これが本当に大事な点です。
倍音のみで音楽は演奏できません。(科学的に言えば)
ただ、伴奏音をまるで、倍音がかすかに鳴り響いているかのごとく、小さく弾くことを目標にする、と言う言い方ならばわかります。
加えて、メロディーにおいては倍音は関係ないですし、考えてはなりません。
あくまでもメロディーは基音がはっきり聞こえないと、まさに輪郭がぼやけた演奏になってしまいます。
倍音という人たちは、もちろんメロディーが大きすぎる演奏に対して言っているとは思うのですが、だからといって「倍音」という言葉だけで片付けるのは誤解を生じます。
ホールでよくぼやけた演奏を聴くことがありますが、あれはまさに、基音(メロディー)がはっきりしていない、(もしくは伴奏音とメロディー音が同じ音量のためということもある)ためです。
もちろんメロディーの音量はどれぐらいにしたら良いのか?という問題点はあります。
確かに市場では音量が大きすぎるパターンは多いように思えます。
しかしそれとは全く別な話であり、メロディーを倍音のごとく弱く弾くことは勘違いを引きこす元だと私は思っています。