私はここで決していわゆる”ロシア奏法”なるものを批判するつもりはないです。
ただ、「こうするべき、こうしなければならない」という弾き方はどうかと思います。
あらゆる科学的な理由を持って指導するべきで初めから「寝かすこと、ありき」という指導は私は良いと思っていません。
あらゆる弾き方を検討するべきであって、根拠や科学的な検証を踏まえた上での発言をするべきと考えています。
私自身は正直いうと比較的テクニック的に難易度の高い、かつ音が多かったり、手を広げて弾くべき鍵盤同士がかなり離れている曲(ショパンエチュードop25-1,エオリアンハープのような曲)の場合は積極的に指を寝かしますが、それ以外で、寝かさなくても良い時はあえて寝かして弾きません。
何故ならば、ホールで弾く場合に、ピアノがいつも音がよく出るとは限りません。
同じホールの同じピアノでもコンディション如何で、全然音が出ない時に遭遇する時もあります。
または弾いたことがない初めてのホールのピアノは本当に恐怖の一言です。
そのような時、全く音が出ないという時を想定した場合、いつでも最大の音量が出る弾き方もできるように準備をしておかないと怖い時もあります。
弾き方というよりも、自分の音を聞いて硬いか柔らかいか?判断する方が重要と私は考えます。
いつも指を寝かす弾き方で練習していて、いきなり音が出ないピアノで本番を迎えた時、果たしていきなり指を立てて弾くことができるか?
私は絶対できません。
私自身は上記の理由でなるべく常時は立てて弾ける時には立てて弾く。テクニック的に立てないと弾けない曲の場合は仕方ないので(?)寝かせて弾くというパターンを取っています。