なんかベーゼンドルファーで新しいモデルが出たらしいけど・・・

生命の樹/Tree of Life

飾るんだったら素晴らしいと思う。

眺めていても確かにクリムトの絵は面白いし、貴重価値がある。

でも・・・弾くとね・・・汗。

私はベーゼンは現代ではピアノとして認めていません。

どう考えてもコンセプトが200年前のsutuation.

私は値段が安いので、とあるホールでよく弾きに行きますが・・・

確かに甘い音はする。でも・・・それだけ。

確かにシューベルトにはピッタリだと思います。でもシューベルトとかモーツァルト止まりだと思う。

一番まずいのはこのピアノ、倍音が豊富に出ないこと。(倍音っつったって全部が美しい音じゃなくて、倍音が増えれば硬い音になる。間違った考えが日本で蔓延っているけど)

つまり、ダイナミクスが足りない。硬い音(倍音)が出ない。

もともとそういう作りになっているんだろうけどそれは200年前のヨーロッパの小さい石造りの教会で弾くコンディションなので現代では無理がある。

ピアノ曲はダイナミクスがあって初めて多彩な表現ができる。

なのでスタインウェイやヤマハはこの一点に集中して作ってある。

けど、このピアノはホールで弾くには限界がある。

50人程度のサロンホールなら響かせなくて良いので良いかも知れない。

なのでいつも音量を結構絞らないと結局表現できない。

逆に伴奏で使うんだったら音量が出たらまずいので好都合なんだけど・・・汗。

つまりピークの音量が全然出ないのだ。

コンディションがたまたまいいとすごく良く鳴るけど、大概は全然出ない。

加えて硬い音、鋭い音が全く出ない。それはピアノとしてはちょっと・・・汗。

あまりに柔らかい音しか出ないコンディションのカワイピアノに似ている。

特に大ホールだと致命的な時がある。

現代ではショパコンも含めてほとんどのコンクールではベーゼンは採用していない。

というよりほとんどのホールには置いていない。

それは良くわかります。あれじゃ弾く方は怖い。

で・・・無理して音量を出すと、変な歪な音が出始める。

もしくは弦が簡単に切れる(汗)。

このピアノ、現在はヤマハ傘下ですが、ヤマハが大掛かりに手を加えて設計を抜本的に変えたら素晴らしいピアノに生まれ変わるとは思うんだけど・・・。