ピアニストは曲の再現のみに限る。個性はいらない・・・と思うよ。

この間ケマルゲキチの演奏会を聴きに行ってきました。

7/1 ケマルゲキチコンサート

まあこの人は演奏にムラがあるので(笑)全部が素晴らしい演奏とは限らないのですが・・・

その中でもリストのハンガリー狂詩曲がすごかったです。

多分、リストもそう弾いたに違いないだろうなと。

私は思うに、その人の個性とかではなくて、作曲家がそこにいたらこう弾いただろうな、という演奏が大事だと思います。

そういう意味ではゲキチの他の演奏はゲキチの個性や、オリジナル曲なので、それはそれで自由に弾いても良いのですが・・・

でもやっぱり曲の正しい解釈はとても重要だと思いますよ。

ただ・・・どんなピアニストの演奏でも思うのですが、本気で弾いているプログラムって大体後半のさらに後半なんじゃないかと。

前半から全力、本気で弾いている人ってあまりお目にかかれません。

多分練習も含めて体力的、精神的に耐えられないんじゃないかな?全曲全力って。

そういえば・・・

昔、Alexander Gavrylyukというピアニストがいて・・・よく聴きに行きましたが・・・

若い頃はこの人は全曲全力演奏で凄かったのですが・・・

ある時期から何故かかなり衰退してしまって(笑)。

この頃はまだ全力の時期だったかもしれません。

彼の演奏は迫力だけではなくて音色の多彩性が素晴らしかったと思います。

あの頃は私もまだ未熟で何が凄かったのか、イマイチわからなかったのですが・・・真似しても彼の演奏にならなくて。

そういう時期にもし怪しい某国奏法団体に入っていたら・・・騙されていたんでしょう(笑)。

演奏自体はすごくいいですね。でも・・・

このイギリス人も素晴らしい。

結局上手い人はどこの世界にでもいて、人種関係なくいると思いますよ。

別にロシア人だけが上手いわけじゃないしロシア人のみが秘密を持っているわけじゃない。

それって馬鹿馬鹿しい論理だと思いますよ。

もちろんこの二人、演奏内容は違いますが・・・それって個性じゃない。

オーディオで言えば、自分で高音部や低音部のつまみを弄っているようなもので、曲の本質はどちらも同じように迫っている。

個性と表現の幅を履き違えてはいけない。