ピアノは自分が近づかないとダメ。基本メーカーは関係ない。

この間、子供と大人の小規模の発表会をやったんですよ。

ただまあ・・・地元のあまりよくないヤマハのC7E(大体1995年製)なので、音はあまりよくないんです(汗)

ピアノが良くないのか?整音がうまく行っていないのか?わかりませんが。

まあでもC7だとやはり音質に贅沢は言えないかもしれません。

ただそうであっても弾く人間の技術があればなんとか出来ます。ソフトペダルと音量(タッチともいう)の調節で。

人はよく、ホールのピアノのせいにすることが多いです。

やれ高音部が出るだの、逆に出ないだの、鍵盤が軽いだの、重いだの・・・

でもそんなこと言ってても仕方ないじゃないですか?

その場にあるピアノをいかに操作して弾くか?が問われるんです。

なんせ自分のピアノを持ち込むことができないのでそこが宿命です。

私は思うんですけど、そのピアノの特性をいかにすぐ見抜いて自分がそのピアノに合わせられるか?

プロはみんなそれをやっている。

高音部が出ないんだったら高音部だけ出せばいいんです。

鍵盤が軽かったら軽いタッチで弾けばいいんです。

よく生徒から言われるんですが

「私ん家のピアノ、すごく弾きにくいんです。今度見に来てくれませんか?」

と言われて行くんですが・・・それがたとえアップライトピアノであっても

「そんなにこのピアノ変ですか?」

ということが多いんです。

単純に、無意識に私がそのピアノに合わせてしまうんです。

そんなこと言ったら自分のピアノだって、湿度や気温で左右されて同じピアノとは思えないこともしばしばある。

みんな、傾向として、そのピアノに瞬時に合わせる能力が追いついていないことが多いと思います。

どんどんいろんなピアノを触れて慣れた方が良い、。

まず一打目にそのピアノ特性を知ることです。

  1. 鍵盤は軽いか?重いか?
  2. タッチは深いか浅いか?
  3. 音量は出るか?でないか?
  4. アクションは敏感か?鈍いか?
  5. いい音が出るためにどの程度の音量調整が必要か?
  6. どういうダイナミクスの配合の混ぜ合わせでピアノがどういう音色の反応を示すのか?

それが即座にできればそんなに怖くない。

もちろんベーゼンみたいな全然音量が出ないピアノだと面食らいますよ(笑)。

あれは現代の『古楽器』なので本当に生粋の調整だと困る(汗)。

サロンはいいけど大ホールには不向き。

でも大概ホールにはヤマハ、スタインウェイ、カワイ、あってもベヒシュタインぐらいでしょう。

この4社は私に言わせれば、違うんじゃなくて、コンディションが違うことが問題なことが多いです。

ヤマハであっても、スタインウェイであってもコンディション次第であってメーカーは関係ない。

多少スタインウェイがアクションの反応が良いことが多いのですが・・・それもコンディション次第。

別にスタインウェイとヤマハのアクションが全く違う、まるでヤマハはチェンバロのようなアクションというわけじゃない。

多少違いがあっても、どちらもダブルアクションという現代に沿った機械でしかない。

話を戻すんですが・・・

ホールのヤマハのC7・・・音は良くないんですが、あのピアノの鍵盤はすごく軽い。

あの軽さは完全にスタインウェイ級(笑)

アクションはやや鈍い反応ですが・・・でもそんなの自分が合わせればいい。

鈍いなら鈍いなりのタッチをすればいいだけの話。

この時、3曲目にラベルのトッカータを弾いたんですよ。

そろそろ録音したいと一生懸命仕上げているんですが・・・なかなか難しい(笑)

でもあのヤマハC7だと、すごく楽に弾けるんです。あまりにも鍵盤が軽いから。

あとは・・・音質とタッチ感はソフトを使って調整。

それができるかどうかだと思います。

それを某ロシア団体みたいに「メーカーによって奏法は変えないといけない。スタインウェイにはスタインウェイ専用の特殊な奏法、ヤマハはヤマハ専用の一般向き奏法、カワイはカワイ専用の独特の特殊奏法、それを指導しているのは私たちだけ」とか言ってる連中はいつまで経ってもオカルト奏法や意味不明なアクションのハンマー解説をしているだけになってしまう(笑)。

そりゃ各メーカーごとに味付けは違いますよ?でもだからスタインウェイとヤマハが白と黒ほど違うことはない。

あそこはちゃんとアクションぐらい勉強した方がいい(笑)。

そもそも「レットオフ」すら知らない。だから強く叩くとハンマーが長時間弦に接触する、なんて馬鹿げたことを言うことになる。

何も勉強ぜずに発言するのは無知と無能を証明する。

基本メーカーはどこであってもそのピアノの「反応性」で適応するのが正解。

スタインウェイであっても整備が悪くて反応性が悪かったらそれ相相応の奏法をしないといけないだけ。

もしも各メーカーによって奏法を変えなければならないのならば、ピアニストは全員、スタインウェイ、ヤマハ、カワイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、ファツィオリ・・・と全てのピアノを自宅に用意しなければならなくなる。

まるで今日は自動車、明日は10tトラック、あさってはバイクでレースに行くんです!・・・だから全部持ってます!・・・というようなもの。