この間、大人の内輪発表会があったのですが、この時、2台ピアノがあったのでヤマハとスタインウェイを並べました。
2台ピアノを比較する絶好のチャンスだったわけですが・・・どういうわけか?
みんなヤマハをビタイチも触れずにスタインウェイを弾いていました(笑)。
終わった後で「ヤマハも触ってごらん」と言ったら「ヤマハも意外といいですね!」と(笑)
さて・・・私の意見ですが・・・
私は2台とも触って思ったのですが・・・
スタインウェイは何年台の頃かは見なかったのですが、ヤマハはCF3・・・リヒテルが活躍していた古い時代のピアノです。
ですがヤマハの方は多分オーバーホールはしてあって、しかもやや音が柔らかい感触で作ってあって、結構いい音がしていました。
ただこういう調整をしている時は多分・・・音量が出ないんじゃないかな?と思いながら弾いてみると・・・
はい、確かに音量がやや出ないです。なのでこのピアノでド派手な曲を弾いたら腕が上がってしまう(汗)。
ピアノというのは諸刃の剣で、いい音にしようしよう、と思えばどんどん音量が出なくなる。
逆に楽に弾けるよう調節するとどんどん音が固くなる。
これはどんなメーカーでも変わらないと思います。
さて・・・ヤマハとスタインウェイ、どちらが良いのか?
私から言わせれば・・・どっちでもええんでないの?
一番大事なのは究極に整備がしてあるかどうか。
整備が行き届いていたら、それで良いのであってメーカーは関係ないと思います。
生徒たちは多分舶来嗜好(?)でスタインウェイを選んでいましたが、それって本当は勿体無い。
究極に言えばこの日は、曲目によってヤマハ、スタインウェイを選ぶのが一番良かったと思います。
ノクターンだったら圧倒的にヤマハとか。
この日のヤマハだったら、柔らかくて深い音は簡単に出ます。
それが多分、業界でいうシゲルカワイとかだと思います。
逆にスタインウェイだと技術がないと出ない。
大事なのはピアノのメーカーではなく、自分の腕だと思います。
でないと、スタインウェイでないと上達しない、という結論になってしまう。(それは暴論)
世間では高いものは絶対それなりに内容があって価値がある、という判断材料があるのですが・・・
しかし現在円レートはどんどん円安になっています。
舶来物のお菓子とかはすごい値段が上がっているし(mlrkaとか一枚500円ですよ!昔は150円だったのに)、ピアノもなんでも一番小さいスタインウェイでも1000万円以上するとか言ってました。
そうなるとレートの関係で本当に舶来品が良いものかどうかは消費者が判断しないといけないと思います。
面白いことをもう一つ気がつきました。
実はここのホールはよく借りていたんですが、いつもはスタインウェイを使っていたのですが、このヤマハピアノ、いつも倉庫に入れてある時に、こっそりいつも倉庫に入って弾いていたんです。
狭いコンクリートでできた保管倉庫の中ではいつものヤマハらしい(?)キンキンした音だったのですがどういうわけか・・・
ホールに出すとこれが結構いい音がする。
ヤマハは特に高周波音の倍音が豊かなので(倍音は全てが 美しいわけじゃないよ、極寒連中よ・笑)狭いところだと耳障りな音ですがこれがホールに置くとちょうど良い音になるんです。
ここが難しいところですね。
倍音は広いところだと拡散されて、ヤマハの場合はちょうど良い音質になる。
自宅のピアノも、ヤマハであっても20畳ぐらいの広さになったら意外といい音になるかもしれませんよ?
スタインウェイだったら本当に20畳ぐらいないと勿体無い(汗)。
もちろんピアノのコンディションいかんでどうにでもなるからいつもじゃないですが。
私が言いたいのは・・・
色眼鏡や偏見でピアノを見るのは勿体ないです。
そして自分の腕を磨くこと。
腕を磨いたら多分・・・どっちでもいいから整備の行き届いたピアノが良い、と思うようになるのでは?
よく「海外製ピアノだとそのピアノが教えてくれる」とかいうんですけど・・・
それは単にお持ちの国産ピアノ(グランドに限る)をきちんと整備していないだけです。
国産ピアノであっても教えてくれます(グレードの違いはあるかもしれませんが最近のヤマハCXシリーズはなかなかです)。あなたがそれに気が付かなかっただけ。
私は思うに、どれだけ買った後でそのピアノの性能を維持する豊富な資金があるかどうか?じゃないかと。
ピアノの整備費はケチったら本当に元もこうもないです。
もし海外産のピアノを買おうか迷っているのでしたら、一度お持ちの国産グランドピアノを徹底的に整備してみてください。
15〜20万円もあったら最高の整備ができると思います。
それでやってみてやっぱり満足できなかったら、海外製のピアノを考えても良いとは思います。