ピアノ芸術の正体はLEGOであり、LEGOで終わる。

NO IMAGE

1.ピアノ芸術は実は完全なLEGOでできている。

2.では音楽はいつ考えるのか?

LEGOって知ってますか?

そう、プラスチックのブロックのおもちゃです。

あのブロックでいろんなものを作るわけです。

想像力が必要ですが・・・でも結果、出来上がりはなんとなく角ばったものになります。

あんまり丸い面がないんですよね。

でも・・・

1.ピアノ芸術は実は完全なLEGOでできている。

と言ったらピアノの先生とかは

「え?そんな失礼な!。そんな角ばった物じゃなくて音楽芸術なのよ!。音楽芸術は澱みなく流れる音楽とフレージングで構成されているのよ!。そして多彩な音色で構成されて、美しい音が流れているのよ!」

「そんなLEGOみたいな非芸術じゃないわよ!」

・・・て・・・

そう言う先生は多分・・・

ピアノが上手く弾けない人なんです・・・残念ですが・・・

そしてピアノが弾ける先生、研鑽を激しく積んでいる先生は

「LEGOとは失礼な(笑)・・・でも・・・確かに当たっている(汗)その通り」

と言うと思います。

ピアノの先生は2通りいると思います。

  1. 一生懸命、指導とは別に自己研鑽を積んで、努力を怠らない人。
  2. 指導ばかりやって自分は何一つ研鑽を積んでいない。ピアノの練習をしない人。

おそらく”2”のタイプの先生はレッスンの時は模範演奏を示さずに評論家の様に、言葉を発するだけのレッスンをしているのではと思います。

もちろん、弾かなくてもまあ・・・ある程度指導はできるのでそれでも構いませんが・・・。

確かにピアノ芸術は音楽で溢れています。美しい音色、フレージング、訴えかけるメロディー・・・。

しかし・・・それはあくまでも・・・

音楽を感じているのは聴衆であって、弾く方はそんなことは感じていない。そんな事に余裕はない。

聞いている方は音楽にうっとり聴き惚れていることでしょう。でも弾いている人間はそんなことよりも演奏が上手くいく様に目の前のピアノの鍵盤をLEGOの様に扱っていることで精一杯なのです。

(LEGOというのは単純に音量と考えて差し支えないです。)

  • あの部分で音量の調節はうまく行ったか?
  • 音ミスをせずにうまく表現はできたか?
  • 音はかすれなかったか?粒は揃ったか?
  • 総じて音の並び、音色はうまく配列して音楽として成り立ったか?
  • 総じてLEGOの構成(音楽)は上手く組み上がったか?

ピアノという楽器はあくまでも目の前の鍵盤の操作しかしません。

それは単純に一つ一つの鍵盤をどういう音量LEGO(しいては音色)で弾くか?

そしてそれをどういう形で陳列するか?

それだけなのです。

そしてその陳列の姿が一つの曲となるだけなのです。

作業が大変な工事現場とそこに指揮司令を伝達する現場を何もわかっちゃいない本社のデスク上の上司。

聴衆もしくはピアノを弾かない先生と実際ピアノを弾く側の先生との違いに似ています。

ただし、ピアノの場合使うLEGO(音量)はすごいパーツです。

厚さが0.01mmなんてブロックもあります(汗)

0.5mmのブロックもザラです。

もちろん50cmのブロックもある。

それらを組み合わせていくんです。

ピアノはあくまでも管楽器や声楽の様に滑らかに音量調節ができません。

0.5mmのLEGOなどを組み合わせて誤魔化しているだけなんです。

しかも聴衆にバレない様に・・・。

そして出来上がった音楽はLEGOとはわからない。

もしLEGOとバレてしまう場合は・・・まだまだ研鑽が足りない雑なLEGOの組み立てなのです。

ピアノを弾くという動作はあくまでも鍵盤機械の操作にはじまって操作に終ります。

そしてそのLEGO(鍵盤)の操作が上手くいかないからみんなテクニックに悩んで改善をしているのです。

もちろんLEGOはどの様に組み立てるのか?

その構想がつまり”音楽”なのですがその”音楽”はLEGOを組み立てる前にすでに完成されていなければならないんです。

LEGOを組み立てている最中に構想ができては遅いんです。

またLEGOの組み立てに魔法も呪いも効きません。

LEGOにオカルト奏法も効きません。

鍵盤に変な操作をしても音楽は出てきません。

あくまでもLEGOの組み立てしかない。

これに気がついた人は劇的にピアノが上手くなりますが気がつかない人は・・・

残念ですが進歩はありえないです。

2.では音楽はいつ考えるのか?

これは・・・LEGOを組み立てる前なんです。

つまりピアノの鍵盤に指を落とす前。

鍵盤に指を落とす前の段階で全て、決めないといけない。

もちろんピアノを練習しながら決めても良いのですが・・・

理想は頭の中で音楽を作ってしまうんです。

どういう流れでどこにピークを追ってきて、そして各声部、各箇所はどういう音色で弾くのか?

全て頭の中に完成させないといけないんです。

もっとも”頭の中”というより・・・楽譜を見ながら、もしくは空で音楽を思い出しながら、構想を練る。

それで良いんです。

あとはその構想通りに・・・LEGOを組み立てるんです。

ちなみにLEGOのパーツを見て下さい。

どうですか?とても美しいパーツとは思えません(笑)。

でもこれが

こんなものまで作ってしまう。

ピアノの音色に似ていませんか?

鍵盤一つ、どんなにダイナミクスをつけて弾いてみても別に美しくはないです。

でもそれが・・・いっぱいさまざまな音量の音が集まって羅列されると・・・

美しい演奏が現れる。

一つ一つのLEGOは大したことがなくても、さまざまなサイズのLEGOが集まると美しくなる。

音楽的な演奏、芸術的な演奏って何?

その秘密を掴んだ者勝ちであり、そのLEGOの秘密を掴まなかったものは永遠にピアノの美しさに近づくことはないでしょう。

ましてや鍵盤を押したり、捻って弾いたり、鍵盤下の空気をかき混ぜても何も起こりません。

ピアノにおいての勝ち組とは・・・LEGOがわかった者です。