某奏法一派は
”倍音がピアノの音色の全てで基音で弾くから汚い音がでる。某奏法は基音で弾かずに特殊な某国の極秘の奏法で弾くから倍音のみが出て美しい音が出る”
・・・とかいう指導をしているようですが(笑)。
まあこの一派は倍音、基音を科学的に完璧に理解していないからこういう意味不明、理解不能なことを書くんでしょうけど。
正解は・・・
科学的には人間が汚い、と感じる音は単純に倍音が非常に多いだけの話です。
倍音は増えすぎると中〜高音域が増えすぎて単純に高周波音が多くなるんです。
人はこれを”不快な音”と捉えるのであって、倍音全てが美しいわけではないです。
基音というのはもっと単純になんのまじりっけのない、NHKの時報のような純粋な音なので、どうやっても汚い音にはなりません。
某一派が倍音、基音と言いたがるのはまあ・・・気持ちはわかりますよ?
やっぱり世間ではとかく、きつい音で弾きたがる傾向はあると思うんです。
単純には大きい音と言って構わないと思います。
大きい音にすると単純にピアノの楽器は倍音も増えてしまうので不快な音も出てしまう。
逆に大きい音量を出しても不快な音が出ないピアノはまあ・・・ハンマーが比較的柔らかいカワイピアノかなあ?
シゲルカワイと言うピアノは確かに柔らかい、良い音はするので市場では人気なのですが・・・でも・・・
あまり硬い音が出ないから逆にあれはある意味では音色が多彩ではないと思うんです。
ダイナミクスが狭い。
もちろん誰でも良い音が出やすいので、人気があるのですが、逆に言えば・・・どう弾いても良い音がするハイエンドモデルの電子ピアノに近いものがある(汗)。
とにかく世間的にはきつい、硬い音で弾くのが常識になる傾向はあると思います。
あとは・・・各声部が全て大きい音で弾いてしまったがためにあまり音色の違いが出ていないというか・・・。
つまり・・・あまりにもクラシックピアノを弾く人たちが、音量の調節が上手くいっていないために、意外と大きい音、もしくはキツイ音で弾いてしまっている人たちが多いと思うのです。
表現しようと思うと、どうしても大きい音を出したくなる。
・・・まあ、わからなくはないです。
そう考えるとクラシックピアノの演奏って結構難しい。
でも本当は・・・
意外と小さい音を出すことが多いんです。
クラシック音楽や・・・実はジャズもそうなんですが・・・
本当はすごく小さい音を活用することがとても多い。
本来は「え?まだ小さくするの?」と言うパターンが非常に多いんです。
でも市場では、そうじゃないパターンが多い。
それ自体、私も嘆かわしい体験はするし、生徒も確かに上手くいっていない時はそういう状態になっていることは多いです。
私も若い頃はそう言う弾き方に陥ってしまうことはよくありましたから。
それを、あのカルト一派は言うんでしょう。
言いたいことはわかるけど・・・だからと言ってですねえ・・・
どちらにしても、クラシックピアノを弾く時に、音量にはすごく注意した方が良いです。
逆に言うと・・・クラシックピアノはあんまり大ホールには向かない面もあるんです。
ポピュラー音楽のように電気機器で音量を増幅させるものと根本的に違う。
音響が良いホールだったらなんとかなるんだけど・・・。