ピアノはレーシングエンジン並の整備が必要です

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F1などのレーシングエンジンは、高度や気温、コースの違いによって相当チューニングが変わってくると聞きます。また、毎レースごとに分解して整備すると聞きますが、ピアノも同じ事が言えます。

ピアノの整備は大きく分けて

  1. 調律
  2. 整音
  3. 整調
  4. オーナーによる24時間湿度調整

が主になります。

1.調律

調律はお金が許せば、半年に一回はしたい所です。実際、打鍵が強かったり、温度、湿度が大きく変わる季節の変わり目にはかなり狂ってきます。もちろん、一般の人にはわからない程度ですが、和音などがきれいに響かなくなってきます。

試しに冬の寒い朝一番にピアノを弾いてみて下さい。かなり狂っています(部屋が暖まれば音程は元に戻りますが)

調律はグランドピアノだと大体1.7万円前後の様です。

2.整音

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整音とは上の写真のように、ハンマーに針刺しをハンマーにして音色を調整するのですが、これを怠るとヤマハピアノなどは、キンキンの金属音になります。しかし、針刺しを深くやりすぎると、音が鳴らなくなるし、元に戻らなくなるしで、なかなか怖い作業でもあります。通常調律師と一緒に、どこまで音を柔らかくするか慎重に進めます。これがなかなか難しくて本当に気に入った音色のポジションは、ほんの一点ですし、それを持続させる事は、数カ月しか持ちません。しかも、その状態は湿度の変化に敏感です。

しかし、丁度よい音色に整音されたヤマハのピアノは本当に素晴らしい音で、整音されていないスタインウェイよりも断然良い音です。

整音だけだと1万円前後の様です。

3整調

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整調とは上の写真のようにアクションの調整をいいます。アクションは非常に多いパーツで出来ていて、これをさまざまな調整をする事により、鍵盤のフィーリングを変えます。これによりピアノでfffもpppも自由自在にできるようになります。

私のピアノは、鍵盤下のブッシングクロスをレンナ−製に変え、アフタータッチを狭くして、立ち上がりが極端に早く、また楽に大きい音が出るよう状態にしています(一部ネジを改造)。

目指すは、軽くて敏感でパワーのあるスタインウェイのタッチフィーリングですが、できればハンマーとハンマーシャンクごと、レンナ−製に変えれば、かなり近くなるのですが、お金が・・・・。

整調は本格的に行うと5万円以上します。

4.湿度調整

湿度調整は、オーナーの仕事です。私は24時間、45〜50%になるようセットしてあります。実際、C7は45〜50%がベストコンディションの様に思っています。

ここまで落とすのは珍しいのですが、こうでもしないとアクションの動きがスタインウェイのような、スコン!と行く動きにならないのです。

そもそも、ピアノはヨーロッパで生まれた楽器です。日本では55%がベストコンディションと説明しますが、スタインウェイはこれでは死んでしまいます。

ヤマハのピアノもスタインウェイほどひどくなりませんが、本当は同じ事が言えるのではないかと思っています。

5.調律師選び

さて、ありきたりな文も終盤に入り、興味がない人はもう、ここまで読まないだろうと想定をして、いつものごとく、強烈なさびの効いた村田節を一発・・・

調律師選びはもっとも注意して選ばなくてはなりません。

ちなみに日本の大手楽器店の調律師は避けた方が無難でしょう。おおよそ調律ができても整調、整音が出来ない人がかなりいます。もっとも中には優秀な人もいるでしょうが、すぐに独立するようです。信用できる大手楽器調律師はコンサートチューナ−のみ。

また、調律でさえも、調律マシーン(すべての88音を音叉音で出すマシーン)を使っている調律師がいますが、これは論外です。

まず、自分の修理工場(工房)を持っている独立した調律師を探す事をお勧めします。

その上で、いっぺん仕事を頼んで様子を見てはいかがでしょう?優秀な調律師なら、どんな要求でも・・・タッチを軽くとか、反応を敏感にとか、金属音にならないでとか、・・・実現させてくれます。

村田ピアノ音楽院御用達の調律師さんは、やはり自分の工房を持っていらっしゃるのですが、なかなかの腕前です。外国製ピアノの修理、塗装はもちろん、さまざまなピアノの改造に、スタインウェイ、レンナ−製品の輸入など手掛けているようです。

おもしろい事に、以前C7を改造したピアノを見せてもらった事があるのですが、何とも言えない、ヤマハでもなければスタインウェイでもない、美しい音を発するピアノでした。