多彩な音色(タッチ)の作り方

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5.たった一音だけ弾いたら巨匠も子供も猫も同じ音色でしかない。音色の正体は2音以上の組み合わせ。

美しい音色の正体は様々な音の組み合わせによるものなので、もし1音のみ弾いても実はそれ自体は巨匠も子供も猫も誰が弾いても違いはありません。

そんなことはない。巨匠が弾いたらたった1音でも違うはずだという人はいるかもしませんが、

・・・そのあたり、迷信やオカルト的な発想は避けて科学的に考えてください。・・・

たとえツィマーマン、バレンボイム、もしくは、もう亡くなりましたが、ホロビッツ 、ラフマニノフ、もしくはスクリャービンや、生前のショパンが1音のみ弾いても、横で子供が1音のみ弾いても何も変わりません。

巨匠でも猫でもハンマーが速く動くか、ゆっくり動くか?これしか違いがないのです。

あるのは音量が大きいか?小さいか?(多少音の硬さ、柔らかさもある)それのみです。

2音以上続けて惹かれた時初めてその2つの音の音量、硬さの違いで音色の違いというものが認識されるようになるのです。

実際は2音程度では区別はつきにくく、かなりの音数が揃わないとわかりにくいと思います。

実際、多彩な音色の区別を認識したい場合は伴奏音とメロディーとの音量の違いを甚大に大きく離して弾いてみるとわかりやすいと思います。

6.音色の操作において奏者にできることはたったの2つ。音量の調節とソフトペダルの使用。これだけ調節すれば良い。

多彩な音色の正体は音量と音の硬さと書きましたが、実際音の硬さというのは音量ほど調節は不可能です。

実際は音量が大きくなるとピアノは音も硬くなる傾向にあります。硬い音を出す場合は音量を上げるしかないのです。逆に音量はあるけれども柔らかい音を作るときはソフトペダルを活用します。

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