と言っても某一派のような◯◯ア風倍音、基音という話じゃないっすよ(笑)。
あの話は単に学習者が混乱するだけだし、どんぶり勘定的に倍音全てが美しいと話してしまうとここからの話が理解できなくなるので要注意です(笑)。
これからの話はピアノの整備のお話。
最近ピアノのハンマーを取り替えて、アクションの整備もしたので絶好調の音で練習していたのですが、だんだん音が固くなってきたので、調律師を呼びました。
多分ハンマーに針を刺すんだろうと思ったのですが、確かにある程度刺したのですが、多分刺しても元の音には戻らない面もあるんじゃないかと思っていました。
納入された時はそれは本当に美しい音だったのですが、そいういう音を維持することが難しいことは経験上、わかっていました。
これはヤマハだろうとスタインウェイだろうとそうだと思います。
ある程度針刺をして、多少アクションの微調節をして、確かに美しい良い音には戻ったのですが、納入当時の本当に美しい音とはちょっと違ったな、という印象でした。
その”美しい音”というのは・・・まあヤマハショールームなどに置いてある新品のピアノと思ってもらえればよいかと。
あの美しい音は、ピアノを買ってもずっと維持できるのかというと・・・そりゃ難しいんですよ(汗)。
その辺りを調律師に言ったら「あーあれですよ」と話し始めました。
工場からこちらにピアノを移して、湿度とか、弾き込み関係でフェルトやシャンクが変化して、ある程度は落ち着いてきたのですが、その反面、ハンマーが100%完全に弦に当たっていないハンマーが見受けられる。
これがあると、ある程度の音量を出すと3本の弦ではなく、2本の弦で頑張ってしまうので余計な倍音が生まれて、やや硬い音が発生するんです・・・と。
そこで3本完全に当たりが出ている鍵盤を弾いてみると、確かに自分が求めていた音が出るんです。
特に小さい音になればなるほど、3本100%当たりが出ていない鍵盤だと余計な倍音を発生させるので、一応美しい音なのですが、自分が求めている音じゃない。
難しいですねピアノの整備は(汗)
もちろんピアノは倍音を出せば良いというどこかの単純な話じゃなく、そもそも倍音は気をつけないと単純に金属音になるだけの話なんです。
諸刃の刃というか・・・。
(だからおかしな話、あんまり倍音を発生させてはいけない。倍音には良い音と汚い音があるので結局は倍音ではなく、物理的には音量で調節しないといけないんです)
いくつかはハンマーを直してもらったんですが、これ、全部直すと1日がかりですと(汗)
整備金も結構なお値段で(汗)どうしよう・・・という感じ(汗)。
ホールとかショールームに置いてある調子の良いピアノとかはこういう細かい整備を毎日やっているんですよ。だからあんなにいい音が出る。
でもそれって結構お金がかかっているわけで(汗)。
ピアノって一昔前のチューニングされた車みたいですよ、ほんと。
昔のハコスカGTRってキャブ(吸気口)やカムシャフトの調節が難しくて湿度、気温に合わせないとすぐプラグがかぶってエンジンが100%出力が出せなくなるとか。
私のピアノももう150万円も改造費をかけました(笑)
でも昔のGT-Rとかは改造費を1000万円かけるらしいですね。
なんちゅうか・・・パソコンとかってそんなにお金かけなくてもメンテナンスフリーじゃないですか?
そうでなくても今のハイブリッドカーとかもほぼメインテナンスフリーですよね。
でも生ピアノはそうはいかないんですよ(汗)。
そこが歯痒いんですが・・・でもそれはやっぱり電子ピアノとかアップライトピアノとかでは得られない、しかも幾何学的なデータをとって実証できないものがあるんです。
逆に言えば、もしご家庭にグランドピアノがあるようでしたら、結構整備に手間とお金をかけたら蘇ると思いますよ。たとえヤマハのG3とかのピアノでも。